開業したばかりの行政書士事務所というのは、当然のことながらその存在はまったく世の中に知られていません。
ですから、何らかの営業活動を行い、まずは自分の事務所の存在であったり、業務内容などを広く知ってもらう必要があります。
新人行政書士が最初に業務を獲得するには、まず自分の持っているあらゆる人脈を使ってアピールしていくのが手っ取り早いと言えます。
ただ、これから長く行政書士として仕事をしていくにあたっては、さらに幅広い人脈を多く作っていく必要があります。
できる限り広く人脈を構築し、事務所の存在や行政書士が何をやってくれるのかといったことをアピールするのが重要になってくるのです。
人脈を作るにはどのような方法があるのか
ビジネスにつながる人脈を築いていく場所や方法は様々考えられますが、まずは身近で手軽なところから始めてみるのがよいでしょう。
行政書士会や支部の集まり
これは直接の営業活動ではありませんが、同業者である行政書士の集まりに参加して、まずは同業者の人脈をつくることから始めてみることです。
ほとんどの単位会や支部では、そういった集まりが頻繁にあります。
そして同業者の集まりでは、自然と仕事の話題になりやすいものです。
そういった場でベテラン行政書士からの業務に関する情報収集であったり、誰がどの分野に強いのかといったリサーチをすることもできます。
謙虚な姿勢で接していれば、新人行政書士というのはかわいがられることが多いので、色々な質問などにも親切丁寧に教えてくれる方もいます。
また、ベテランの行政書士は優良な他士業との人脈があることが多いので、どの他士業の方がいい仕事をしてくれるのか、その方の人柄などもリサーチすることができます。
行政書士は同業者だけではなく、他士業との人脈も重要です。
ですから、そこで紹介してもらった方に挨拶に出向くなどして懇意になることができれば、さらに優良な人脈を広げることができるでしょう。
町内の集まりや行きつけのお店
例えば、町内会や自治会といった人の集まりや、行きつけのお店などを増やして経営者と懇意になるなど、簡単にできることから始めてみるという方法です。
特に、お店の経営者というのは顔が広い人が多いですから、自分の存在を知っておいてもらえると、思わぬ仕事を紹介されることがあります。
実際私も、あるお店に通って経営者と仲良くなったことで、そのお店のお客さんを紹介してもらい、仕事につなげたということが多々あります。
飲食店などであれば、ランチタイムなどの安い時間帯で通えばそれほど負担にはならないでしょうし、できるだけ空いている時間に行って色々と話をしてみるのも手です。
商工会議所などのイベントやセミナー
地域の商工会議所などに会員加入していると、様々なイベントやセミナーなどの案内が届くことがあります。
商工会議所に会員加入しているのは基本的に経営者がほとんどなので、こうしたイベントやセミナーなどに参加してみることも一つの方法です。
そこで名刺交換などができれば、さらにアフターフォローを行うことで、仕事につながる人脈になる可能性もあります。
Facebookの活用
FacebookなどのSNSは、積極的に投稿を行っている経営者の方もたくさんいます。
そうした経営者の方とFacebook上で交流し、もし実際に会う機会があれば、それも人脈を広げる良いきっかけになります。
特に、自分の事務所がある地域内の人であれば、地元意識というものが働いて、実際に会ってみると意外とスムーズにビジネスの話になることもあります。
また、懇意になった経営者から他の経営者を紹介してもらえることもありますので、こうした流れがうまく働けば、ビジネス上の人脈がどんどん増えていくことも期待できます。
時間は多少必要ですが中長期的には効果的
このような人脈を深めていく方法というのは、多少時間が必要ではあります。また、信頼関係を十分に築けていない方からの仕事や紹介には注意点もあります。
しかし、人脈営業は、ただ闇雲に営業活動を行うよりも営業効果はずっと高いと言えます。
見込み客側からしても、すでに面識のある行政書士の方が相談しやすいでしょう。もちろん、第一印象の良さであったり、専門家としての価値をアピールしておくことが大前提です。
すでに半分は相手の懐に入り込んでいる状態ですから、営業効果もぐっとハードルが下がります。
これらは、今後の事務所経営という中長期的な視点で考えると、新人行政書士でもぜひ取り組んでおきたい方法です。
仕事に関する人脈というのは、行政書士を続けていると自然にできてくるものではありますが、開業当初は積極的に幅広い人脈をつくるための活動にも力を入れてみるべきです。
ホームページやブログといったものを使った営業方法もありますが、まずは身近なところでより多くの人と会い、見込み客を増やす営業活動を行ってみましょう。