行政書士が行える業務分野というのは非常に多岐にわたります。いわゆるメジャーな分野と言われている業務だけでも相当な数です。
ですからすべての分野の知識を完璧にカバーしようとするのはまず不可能ですし、とても現実的ではありません。
少なくとも私は行政書士の業務分野の知識をすべて完璧に知っている、実践的な知識がある、という行政書士に会ったことはありません。
ではもし自分が知らないことを見込み客から質問されたような場合に、どのような対応をとるべきなのでしょうか。
知らないことは知らないと素直に認めること
専門家なのだから知らないことがあってはならない、といった心構えはとても立派です。
またそれが理想なのでしょうが、現実的にはとても無理です。
まして実務経験も乏しい新人行政書士が、すべての分野に精通しているということはまずあり得ません。
ですから仮に自分の知らないことを見込み客から聞かれたとしても、もし知らなければ『わかりません』と素直に答えればよいのです。
これだけは絶対にNG~見込み客には必ず見抜かれます
そこで注意しなければならないのは、変に知ったかぶりをしたり、話をそらしてしまったりするようなことです。
例えば『たぶん○○だと思います』という表現は当然NGです。
質問の答えに自信があるのであれば『○○です』ときっぱり答えるはずですからね。
こうした点は、少し言葉遣いに敏感な人が相手の場合、その場を取り繕っていることはすぐに見抜かれてしまいます。
まず知らないことは『わからない』と素直に認めることが大切です。
ただ知らないと答えるだけでは意味がありません
もちろん素直にただ知らないと答えるだけで終わってしまっては、プロとして何の意味もありませんし、商売につながっていきません。
冒頭で述べた通り行政書士の業務分野は多岐にわたりますので、知識不足というのはあって当たり前です。
まずは勉強不足であることを素直に認め、頭を下げましょう。
そこですぐ内容を調べて後日改めて連絡することを伝え迅速にきちんと実行すれば、逆に責任感があると思われて評価を高めることにもつながります。
行政書士というプロであっても、知らないことがあって当たり前なのです。特に新人行政書士の知識不足は決して恥ではありません。
見込み客との接点が増えることは逆にプラスに働くことも
むしろ改めて知らせるような機会ができれば、そこでまた顧客との接点が増えることにもなりますので、営業的にもプラスとなります。
また自分自身にとっても実務の勉強になる点でプラスです。
顧客から知らないことを聞かれても変に自信のない態度をするのではなく、慌てず落ち着いて対応すれば何の問題ありません。
決してその場を取り繕うような対応をせず、素直な気持ちで顧客と接するようにしましょう。
プロとしての実務知識を得る努力を怠らない
ただし知識不足があって当たり前とはいえ、これから行政書士業務を行っていくにあたっては、やはりプロとして最低限の実務知識を日々深めていく努力を怠らないことが必要です。
ベテラン行政書士であっても日々勉強、自己研鑽を重ねながら仕事をしています。新人行政書士がそこを怠っているようではお話になりません。
新人行政書士もそれに負けないくらい実務知識をつけるための努力をしていかないと、いつまで経っても本物のプロとしての仕事ができるようにはならないのです。
少なくとも自分がメイン業務として据えることを考えている分野に関しては、かなり深いところまで知識をつけるつもりで自己研鑽に励みましょう。