現在は、スマートフォンやタブレットといったモバイル端末でインターネットが手軽に利用できる環境にあります。
ですから、相談や依頼を考えている顧客が、事務所の情報を事前にある程度知っておきたい、という目的で、事務所のホームページを検索するということも十分に考えられます。
ホームページはいわば24時間365日休みなく、自分の事務所をアピールしてくれる営業マンとも言えます。
つまり、新人行政書士が存在を知ってもらう、相談や依頼の入口となる手段として、ホームページというのはかなり重要な営業ツールになるわけです。
では、これから開業する、あるいは開業間もない行政書士は、どのようにホームページを作成すれば効果的なのでしょうか。
外注のメリットとデメリット
ホームページを作成する一つ目の手段としては、ホームページ作成業者などに外注するということが考えられます。
外注するメリットとしては、それなりに見栄えの良いホームページができることや、パソコンが苦手な方でも手間なく作成してもらえる、などといった点があるでしょう。
反面、デメリットとしては、まず作成や運用のコストがかかることです。
ホームページ作成業者というのは、それこそ星の数ほどあります。作成やランニングコストもピンキリで、一体どの業者を選べばよいのかわからない、という点も難しいところです。
また、ホームページの更新が柔軟にできなかったり、追加料金が発生する場合もあります。
もし外注を考えているのであれば、すでにホームページを外注している先輩行政書士に良い業者を紹介してもらうというのも一つの手段です。
あるいは、ホームページ作成などが得意な知り合いに人脈があれば依頼してみるなど、費用と相談しながら検討することになるでしょう。
できるのであれば自作するのが一番よい?
もう一つの方法は、ホームページを自分で作成することです。
自作するメリットは、まず当然のことながらコストが抑えられる点があります。また、更新や修正といったことも自分の好きなように行うことができます。
自作の場合、ドメインの管理料やレンタルサーバーの料金くらいのコストで済みます。後述しますが、これくらいの費用は微々たるものです。
一方、デメリットとしては、知識やスキルにもよりますが、作成するのにある程度の時間がかかることが多い点です。
このあたりは、時間をお金で買う(外注)か、自分で苦労しながら時間をかけて作り込むかの選択になります。
他の同業者や他士業のホームページなどを参考にしながら(当然パクリは厳禁です)、独自のコンテンツをどんどん入れていきましょう。
苦手な方にとってはかなり苦痛な作業かもしれませんが、これからの時代、ホームページ作成などの基本的なスキルを身につけておいても決して損はありません。
ホームページ作成の知識が役に立つことも
ホームページ作成の知識があると、顧客サービスとして業務の幅が広がる可能性があります。
実際に、私も事務所のホームページを作成した経験から、本来の行政書士業務ではありませんが、自分の顧客のホームページ作成に携わったことがあります。
また、ホームページにしてもブログにしても、自分の得た知識や経験をアウトプットする場として活用することができるでしょう。
コンテンツの豊富なホームページというのは、士業として知識が豊富なことを顧客にアピールできることはもちろんのこと、いわゆる検索エンジン対策(SEO)にもなります。
そして、結果的に自分のホームページが上位表示されることになり、多くの顧客が自分のホームページを参照してくれることにもつながります。
特に、ホームページからの集客も考えている方は、こうした点も意識しながら、中身の濃いホームページを作成することを目指してみてください。
行政書士として仕事が忙しくなってくると、なかなかホームページ作成や更新といったことに関わる時間が限られてきます。
登録前や登録直後の時間がとれるうちに、じっくり時間をかけて試行錯誤しながら作成してみましょう。
ドメイン名の取得は早い者勝ち~できるだけわかりやすいものを
ドメイン名の取得は早い者勝ちです。事務所名や業務内容ができるだけわかりやすいものが取得できればベストです。
ちなみに余談ですが、私は苗字が日本では超メジャーな『鈴木』です。事務所名にも鈴木を入れているので、希望するドメイン名がなかなか取得できませんでしたね。
独自ドメインを取得するための実績の高いメジャーなサービスは【お名前.com 】と【ムームードメイン 】といったものがあります。
なお、他にもサービスを提供しているところは多数あります。
独自のキャンペーンであったり、例えばドメイン取得とレンタルサーバーがセットになっているといったプランを用意しているところもあります。
内容やサイトを見比べてみて、自分に合った好みのサービスを選んでみてください。
事務所サイトを作成するには、まず独自ドメインの取得は欠かせません。ランニングコストもたかが知れてますので、早めに取得しておきましょう。
ホームページを自作する具体的な方法は?
ホームページの作成については、少しパソコンに慣れている方なら、今は比較的簡単にできる環境が整っています。
まず先述の独自ドメインを取得した上でレンタルサーバーと契約し、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を使って作成する方法がお勧めです。
CMSというのは難しいサーバーなどの知識がなくても、ある程度見栄えの良いデザインができるので、コンテンツ(ホームページの中身)の作成に集中できるのが大きなメリットです。
CMSはWordpressでの構築がお勧め
最もポピュラーなCMSとしては、無料で利用者も多いWordPressが挙げられます。
ちなみに、このコンテンツもWordpressを利用して作成しています。また、事務所のホームページもすべてWordpressを利用しています。
WordPressは、テーマと呼ばれるテンプレートが有料・無料問わず豊富にあり、素人でもプロ並みのデザインが簡単にできるのが大きな特徴です。
またプラグインという拡張プログラムを入れることで、例えばお問い合わせフォームの設置など、ホームページに必要となる様々な機能を強化することもできます。
最初は少し難しく感じるかもしれませんが、ある程度慣れてしまえば非常に扱いやすいシステムです。導入さえうまくいけば、コンテンツの更新だけに専念できる環境が整います。
書籍やインターネット上にも情報が豊富にありますので、これからホームページを作成する方はWordpressの利用を検討していきましょう。
レンタルサーバーはどの会社を選べばよい?
WordPressはサーバーにインストールして使うシステムです。そのため、多くの方はレンタルサーバーを利用することになるでしょう。
レンタルサーバー会社は数えきれないほどあり、どのサーバーを選べばよいのか迷うところなのですが、その中でも私がお勧めするレンタルサーバーは下記の3つです。
低コストで初心者に最適なのはロリポップ!
レンタルサーバーの会社もたくさんあるのですが、マニュアルも充実していて利用者も多く、初心者でも簡単に使うことができるロリポップ! がまずお勧めです。
ロリポップ!には、サーバーなどの難しい知識がなくても、Wordpressをインストールできる簡単インストールといった初心者向けのメニューがあります。
ホームページ作成についてあまり知識がない、といった方はロリポップ!を選んでおけばまず間違いはありません。
そして、ロリポップ! は何よりもコストパフォーマンスが高いのも魅力のひとつです。
一時期はサイトや管理画面の表示が非常に遅いという評判だったのですが、最近はその点も大幅に改善されているようです。
私がホームページの作成をお手伝いしたクライアントも、ロリポップ!を特にストレスなく快適に利用できている、という声をいただいています。
エックスサーバーは定番中の定番・さすが間違いのない老舗の安定感
WordPressを利用するならエックスサーバーとの組み合わせは定番中の定番です。
インターネットでWordpressの解説記事などを閲覧していても、このエックスサーバーとの組み合わせで説明されていることが多いですね。
ここは老舗だけにさすがの安定感、スペックもセキュリティ面もまったく問題ありません。
中でも【wpX Speed 】はWordpressに特化した高品質なサービスプランです。
エックスサーバーはWordpressユーザーが非常に多いので、何か問題が起きても検索すれば大抵のトラブルは解決できてしまうところが心強いですね。
初心者からヘビーユーザーまで幅広く支持されているサーバーであり、機能も充実していながらコストパフォーマンスが非常に高いのも大きな魅力のひとつです。
ある程度の知識がある方はMixHostがお勧め
また、ある程度Wordpressなどの知識があり、もっと高機能で高速なサーバーを選びたいという方には、MixHost というレンタルサーバーがお勧めです。
MixHostは比較的新しいレンタルサーバーなのですが、高機能かつ高速なレンタルサーバーとして最近特に注目されています。
また、こちらもコントロールパネルからWordpressを簡単にインストールすることができるようになっています。少し慣れてしまえばコントロールパネルも直感的に操作することができます。
MixHostは体感的にも数字的にも本当に速いです。例えばロリポップ!のスタンダードプランなどを利用していた方がMixHostを使うと、驚くほどの速さを体感すると思います。
もっとも、最近はピュアSSD・Lite Speedサーバーを採用するところがどんどん増えてきているので、スペックや速度面などの優位性はなくなってきた?かもしれません。
Googleの評価基準にはサイトの表示速度というのも指標として入っています(どの程度重視しているかはGoogleにしか分かりませんが)。
何よりも表示速度が速いというのは、サイトを閲覧する人のストレス軽減にもつながります。
難しい理屈はさておき、Wordpressはそのシステムの性質上、どうしてもサイト表示が遅くなりがちなのが難点のひとつです。
MixHostもコストパフォーマンスが高く、高機能で高速に動作するサイトづくりができるのが最大のメリットです。
ユーザビリティの改善という意味でも、MixHostは非常に優れているサーバーだと思います。
ちなみに、私の事務所ホームページやコンテンツなども現在はすべてMixHostで運用しています。
システムは器~一番肝心なのは料理であるコンテンツの中身です
ホームページは外注するにしても自作するにしても、肝心なのはコンテンツの中身です。
特に士業のホームページに関しては、専門性を打ち出して運営することが重要になります。業務経験を積みながらホームページも成長させていきましょう。
WordPressは検索エンジンとの相性が良く、検索エンジンで上位表示されやすいとも言われていますが、これはあくまでもしっかりとした中身があることが大前提です。
中身の乏しいホームページは、顧客はもちろん、顧客を呼び込むための検索エンジンにも評価されることはありません。
システムやテーマといったものはいわば器です。肝心なのは料理となるコンテンツの質ですよね。
ホームページを単なる名刺代わりに使うというのは、非常にもったいないと思います。
行政書士は専門職ですから、日々自己研鑽や経験を重ねていれば、コンテンツの中身に事欠くことはないはずです。
特にWebでの集客を狙っている方は、自分の知識や経験をアウトプットする場としても、ホームページを存分に活用していきましょう。