これから行政書士事務所の経営を考えている方にとって、やはり心配なことのひとつとして、『経営が軌道に乗るまでどれくらいかかるのか』という点もあるでしょう。
ただこの点について明確な答えはありません。
なぜなら開業当初から多くの仕事を獲得している人もいれば、試行錯誤しながら開業して数年経ってようやく軌道に乗ってきたなどといったように、様々なパターンの方がいるからです。
スタートダッシュがうまくいけば経営を早い段階で軌道に乗せることができるでしょうし、なかなか経営者としての自覚をもって行動ができない方は少し時間がかかるかもしれません。
もっと言うと、開業してから何年経っても事務所経営がうまくいかず、残念ながら廃業してしまう方も少なくはない世界でもあります。
しかしやはり行政書士として独立開業したからには、できるだけ早く経営を軌道に乗せたい、経営を軌道に乗せるためにはどうすればいいのか、ということを考えるのはとても重要なことです。
開業当初から稼ぐ行政書士の特徴は?
私の経験上の感覚では、開業当初から経営を軌道に乗せることができている人には共通点があるように思います。
まず仕事に結びつきそうな場所を的確に見抜いて積極的に出向いたり、優良な人脈を早い段階で広く構築できている人です。
ただ、これは誰にでもできるものではありません。
マーケティング能力やコミュニケーションスキル、経営能力などというのは、どうしても個人差があるからです。
状況は人それぞれ~能力にも個人差はありますが
開業時の状況というのも人それぞれです。
最初から経営センスが身についていれば早い段階で稼げるようになるでしょう。
また最初はまったく稼げなくても、コツコツと営業活動などを行い、経験と実績を積み上げながら徐々に経営スキルを身につけて軌道に乗せていく人もいます。
結局のところ、行政書士の仕事をつかめる場所を探す嗅覚であったり、最初から経営センスに長けている人が早く成功すると言えるでしょう。
しかし多少時間は必要かもしれないけれども、事務所経営を軌道に乗せるための努力と行動というのは誰にでもできます。
コツコツと経営能力を鍛える努力ができるかどうか
私自身は決して最初から経営能力があったわけではありません。
最初から広告宣伝などに投資できる十分な資金もなく、コネや人脈もまったくと言っていいくらいない状態で開業しました。
恥ずかしい話ですが、開業してから最初の仕事を獲得するまで3か月ほど要してしまいましたし、経営が一応軌道に乗り始めたのも開業から1年ほど過ぎてからです。
つまり元々は経営センスがない側の人間だったわけです。
それでも何とか10数年行政書士という仕事を続けることができています。
事務所経営のために何をすべきか、どのような行動が必要かといったことに知恵を絞り、経営を勉強しながら営業活動や人脈を広げる、実務知識の自己研鑽に励んできたからだと思っています。
できることからどんどん実践していくことが重要
最初はとにかく考えられるだけの営業方法を実践し、試行錯誤を重ねて、失敗を繰り返しながら経営を続けてきました。
今思えば、あの時こうしておけばもっとうまくいったのに、ということも少なくありません。
もちろん開業当初から経営を軌道に乗せることができるに越したことはないでしょう。
ただ最初から経営能力が乏しかったとしても、開業後の努力次第で事務所経営を軌道に乗せることは十分に可能です。
私のような凡人にも一応できたのですから。
経営者としての能力が乏しかった私が言うのも何ですが、事務所経営を軌道に乗せるには、集客の仕組みを確立し、経営センスや実務知識を磨くための自己研鑽に励むことが必要だと思います。
経営能力は自覚して鍛えることができるもの
もうすでに開業して早い段階で結果を出しているような方は、私の経験談やノウハウなどはまったく必要ありません。
自分の能力を生かしてどんどん稼いでいきましょう。
ただ経営ができるかどうかで開業を躊躇している方や、伸び悩んでいる方ににアドバイスをするとすれば、とにかく愚直に諦めず続けることだと思います。
経営者としてやるべきことをコツコツと続けていけば、多少の時間はかかるかもしれませんが、いつか事務所経営が軌道に乗る可能性は高くなります。
経営者としての能力というのは鍛えることができるものです。
しかし残念ながら経営がいつまでもうまくいかず、廃業してしまう方も少なくないのも事実です。
その原因の多くは経営者としての能力を鍛える、経営者としてやるべきことを続けてこなかった結果とも言えます。
行政書士事務所の経営は決して簡単ではありませんが
行政書士事務所を経営するというのは、決して簡単なことではありません。
特に多くの新人行政書士は、苦労と失敗の連続で心が折れてしまいそうになることもあるでしょう。
しかし、経営者としての能力や営業力を鍛える努力を続けていけば、行政書士というのは少なくとも、普通は廃業しなければならないような状況にまで至ることはない商売だと私は思っています。
何しろ、行政書士の仕事は世の中にあふれていますし、アナログ集客やWEB集客など、顧客を得るための手段はいくらでもあります。
はっきりと何か月、何年で事務所経営が軌道に乗るのか、ということは断言することはできません。前述の通り、開業時点での経営能力や状況には個人差があるからです。
それでも行政書士という仕事をやりたいのであれば、経営者としての能力や営業力を鍛える努力を続ける覚悟を決めて、ぜひ果敢に挑戦してみてください。