行政書士試験に挑戦した方の目的は様々でしょう。
単なる自己啓発のためだったり、履歴書に行政書士資格保有なんて書きたかったり(転職で有利になるかはどうかは分かりませんが)。
また、ダブルライセンスを狙っていたり、他士業の資格をとるための練習台という方もいますね。
そして独立開業するための目的で取得した方も少なからずいるでしょう。
行政書士として独立開業するのは難しいことなのかというと、はっきり言って簡単なことです。登録申請して30数万円の登録費用払うだけですから。
もし独身の方であれば、失敗してもリスクは少ないでしょうから、勢いで思い切って開業してもいいと思います。行政書士の仕事は世の中にあふれてますからね。
行政書士で開業するというのは、それほど難しいことではないのです。
行政書士で開業する費用などたかが知れてます
行政書士として開業するのは、他の業態に比べるとハードルはとても低いと思います。
登録費用も30数万円、事務所は自宅事務所でもOK、仕事に必要な備品などにかかるお金もそれほど高価ではない、開業に際してある程度の自己資金があれば借り入れも必要ありませんしね。
そういう意味では、資金面でも独立開業しやすい業態といえます。
インターネット上にも情報はあふれてますし、クラウドサービスなどを上手に使えば事務所にいなくても仕事はできます。
私が開業したころに比べれば、今は開業のハードルはとても低いですね。事務所の経費も自宅事務所ならランニングコストなどたかが知れてます。これから開業する方は本当に羨ましい。
ホームページ作成にしても、昔は外注したら数十万円かかりましたが、今はとても安く済みます。
自分で作成できる環境も格段に整っているので、事務所案内程度なら、少しスキルを勉強すれば自分でも十分作成できます。ホームページのランニングコストも微々たるものです。
ということで、行政書士で開業するのはとても簡単でお金もかからないですし、何より国家資格者という肩書で一応信用も得られます。独立開業すること自体はとても簡単なことなのです。
開業にあたって実務経験も下積みも不要です
行政書士として開業するにあたって、多くの方が心配するのは『実務経験なし』という点だと思いますが、これも心配無用です。
実務知識を得るための書籍も多々ありますし、役所のホームページも昔とは比べものにならないほど充実してます。
ほとんどの行政書士会でも、テキスト代程度の実費で実務研修も行われていますし。
役所から出ている手引きや関連書籍を読み込んで、それでも分からないイレギュラーなケースなどは役所に問い合わせれば親切丁寧に教えてくれます。
なお、手引きに書いてある基本的な内容を役所に聞くのはプロとして恥ずかしいのでNGです。担当者からナメられて、今後の仕事にも響きますので。
もっとも、役所の担当者というのは年度替わりなどですぐ代わってしまうのですけどね。久々に行った役所なんかでは、担当者がいつの間にか出世してたりすることもあります。
行政書士事務所での補助者経験なんかも不要です。ほとんどない求人を探している時間がもったいないので、実務知識の自己研鑽に励みましょう。下積みなどする必要はありません。
数少ない補助者の求人を探して見つけるのはある意味、それなりに稼げる行政書士になるよりも難しいかもしれませんよ。
実務を経験することもそれほど苦労しない
そして何だかんだいっても、行政書士は国家資格者です。事務所のホームページを開設しているだけでも、ごくたま~にですが問い合わせや依頼はくるかもしれません。
事務所の近所などにチラシなどを配布してもいいでしょう。事務所の存在を知ってもらうことで、もしかすると相談や依頼が少しは入る可能性もあります。
また、これまでの人生経験で得てきた人脈をフル活用すれば、仕事を紹介してもらうことも不可能ではないでしょう。ニーズは確実にありますので。
要は、0を1にすることができれば、少なくとも同じ仕事であれば次は多少なりとも自信をもって取り組むこともできるようになるのです。
ただし『稼ぐ行政書士側』になりたいなら話は別
前述の通り、行政書士で開業することは難しいことではありませんし、実務経験もあるに越したことはないけれども、なくてもまったく問題ないことです。
ただし、事業を営む経営者として『稼ぐ行政書士』になりたいのであれば、上記のような行動だけでは絶対に不可能です。
この程度で稼げる行政書士になれるのであれば、仕事がなくて廃業する人なんていませんからね。
行政書士というビジネスで稼ぐためには、マーケティングや集客力、徹底した自己研鑽、経営者マインドというものを鍛え上げていく覚悟と努力が必要となります。
行政書士というビジネスで稼いでいくためには
行政書士という肩書だけがほしいのであれば、登録して年会費を払っていればいいことです。所属する支部によっては支部会費の支払いも必要かもしれません(微々たる金額だと思いますが)。
しかし、ビジネスとして稼ぐ行政書士となるためには並大抵の努力では足りないですし、それなりの投資も必要となってきます。
経営者としては当たり前のことなのですが、これができずに廃業、退会してしまう方も少なくない世界です。厳しいようですが、ビジネスである以上はそれが現実です。
行政書士になることは簡単で資金もそれほど要しません。しかし事業として稼いでいく経営を目指すのであれば話は別です。
行政書士も商売である以上、開業して誰もが稼げる側に入れるとは限りません。
もし、行政書士というビジネスに本気で取り組むのであれば、ぜひ他のコンテンツも参考にしてみてください。
もっとも、私より桁違いに稼いでいる行政書士は数えきれないほどいるので、これが役に立つかどうかは保証できませんが。
経営者としての資質を高められるかどうかがカギ
冒頭では行政書士になるのは簡単と書きましたが、それ自体は事実です。そして開業に老若男女は関係ありません。
ただ、行政書士として開業することは簡単でも、事業として稼いでいくというのであれば話は別であり、そのためには相当の労力とコストがかかりますよ、ということです。
行政書士だからといって何もせず安定した収入が得られるわけではありません。もし絶対に安定を求めるのであれば、行政書士で開業するのはやめた方がいいと思います。
そして『食えるだけのお金があればいい』などといった心構えでは、食えるどころか食えるだけの仕事が入ってくることはまずありません。
まして『副業で小遣い程度のお金が稼げればいい』なんて考えはもってのほかです。
小遣い稼ぎ程度の収入が欲しければ、もっと割のよい副業を見つけたほうがよいでしょう。その程度の感覚で開業しても、小遣い稼ぎにすらなりませんので。
たとえ副業であったとしても、肩書だけで簡単に仕事がとれるほど甘くはありません。
せっかく取得した資格~行政書士で経営に挑戦してみては?
結局のところ、行政書士として稼いでいくためには、やはり経営者としての資質を高めていくことに尽きるのです。中途半端な気構えでは事業は成り立ちません。
家族がいる方は独立開業を簡単に決断することは難しいでしょう。行政書士で稼げる保証なんてどこにもありませんからね。
ただ、失敗してもリスクの少ない若い独身の方などは、経営者となる覚悟をもって思い切って飛び込んでしまい、走りながら様々な経験を積んでいってもよいのではないでしょうか。
せっかく苦労して(しなかった有能な方もいるかもしれませんが)取得した資格なのですから、ぜひ若い方も本気で経営に挑戦してもらいたいものです。
自分で言うのも何ですが、行政書士はそれだけの価値がある資格だと思いますよ。