行政書士として開業を検討するにあたって、いわゆる『田舎』であるという立地条件に不安を抱いている方がいるかもしれません。
人口の少ない地方で開業しても業務の需要はあるのだろうか、行政書士として仕事をしていくことができるのだろうか、といったことを心配している方も少なくないでしょう。
確かに、都市部に比べると見込み客の絶対数が少ないことは否めません。
ただ、行政書士というのは広範な業務内容があります。都市部には都市部の、地方には地方特有の仕事があるものです。
例えば、都市部であれば自分で簡単にできる手続きなどであっても、地方では遠方までわざわざ出向かなければ行うことができない、といったこともあります。
そして何より、競合相手が少ないということも大きなアドバンテージになり得るのです。
行政書士事務所の立地条件はそれほど不利にはならない
地方の最大の強みは、とにかく競合相手が少ないということです。
都市部というのは、確かに見込み客の絶対数は多いのですが、その分競合相手が多いうえに大きな事務所も多く、強いということがあります。
都市部で開業しても、最初からそうした激しい競争に参戦していかなければなりません。そのためには開業時からかなりのコストをかけて集客していく必要があります。
それに比べて、地方というのは見込み客の絶対数は少ないですが、競合相手が少ないうえに低コストで集客できる余地のあることが最大のメリットとなり得るのです。
ネット集客は地方の方が有利に働く可能性がある
今の時代は幸いなことに、集客の手段としてインターネットという便利なツールがあります。
地方といっても様々な土地柄はあると思いますが、都市部よりも低コストで顧客を囲い込むことができる余地があるといえるかもしれません。
特にネット集客においては、逆に競合相手が少ない地方で開業した方が、新人行政書士でも有利に戦える可能性があるのです。
つまり、事務所の立地条件などというのは、今やそれほど不利な要素ではなくなっているといえるでしょう。
経営者としての力量が必要なことに変わりはない
ただし、行政書士事務所を経営していくという点では、都市部であっても地方であっても変わりはありません。
そこで必要となることは、やはり経営者としての力量です。
実務能力がいくら高くても、立地条件うんぬんの前に経営者としての能力が足りなければ、事務所経営は立ち行きません。
そして見込み客を誘導するところまでは何とかこぎ着けたとしても、そこから先に話を進めることができなければ、まず仕事を得ることはできません。
行政書士という商売で身を立てていくのであれば、実務能力はもちろんのこと、経営者としての力量がシビアに問われることになります。
その点は十分に留意しておきましょう。
経営能力さえあれば都市部の行政書士に負けることは絶対にない
私が知っている行政書士には、いわゆる『田舎』に事務所を構えているにもかかわらず、かなりの売上を誇っている方が実際にいます。
何度か事務所に訪れたことがあるのですが、周りに見えるのはきれいな山々や点々と存在する民家だけ、時々聞こえてくるのは鳥の鳴き声、といったかなりの『田舎立地』です。
それでも経営者としての能力がずば抜けて高いので、都市部で開業している『普通の』行政書士とは比べ物にならないほどの売上、利益を得ています。
デメリットをメリットに転換する思考と経営能力さえ身につけることができれば、たとえ田舎立地であっても成功できるという見事な証明です。
もし、地方での開業に不安を抱いている方は、地方ならではのメリットを最大限に活かすことに注力し、ぜひ果敢に挑戦してみてください。