行政書士の事務所は自宅兼事務所であったり、ワンルームマンションやオフィスビルの一室に入居していたりなど様々な形があります。
交通アクセスの便利さや役所に近いなど、自分の業務内容や顧客の利便性を考慮して事務所を構えているというケースも多いでしょう。
ではそうした立地条件は別にして、行政書士事務所として早く信用を得て成功するためには、最初から大きくて立派な事務所を構えるべきなのでしょうか。
確かに事務所が大きければ一定の信用は得られますが
どの程度が『大きい事務所』というのかは、都市部や地方などで条件は異なると思います。
例えばとても広い立派な応接室があったり、補助者や従業員を何人も雇っているなどの状況であれば、いわゆる大きい事務所ということになるのでしょう。
ただ私の周りの行政書士や自分の経験上では、必ずしも大きくて立派な事務所が必要ということはないと思っています。
月商1,000万円を超えているような行政書士でも、小さなワンルームマンションの一室を事務所にしている方も知っていますし、自宅事務所でもかなりの売上がある方もいます。
もちろん大きくて立派な事務所であれば、事務所を訪れる見込み客の信用を得やすいといった面は確かにあるかもしれません。
最初に肝心なのは事務所の大きさではない
私個人の考えとしては、事務所というのはあくまでも仕事をするところですから、仕事がきちんとできるのであればスペースの大小は関係ないと思っています。
要は必要に応じて大きさを決める、という程度の認識で構わないのではないでしょうか。
最初は小さく始めて行政書士として安定した売上を出せるようになり、手狭になってきたら事務所の大きさを変えていく、というような感覚で十分だと思います。
事務所の大小が原因で信用を失ったことは皆無です
私自身は自宅兼事務所からスタートしましたが、経費処理が面倒なことや手狭になったこともあって別に事務所を借りました。
今借りている事務所は10畳ほどの部屋に、応接スペースと実務スペースが一緒になっているといった感じです。決して大きな事務所ではありません。
むしろ規模としては超零細事務所ですね。
それでも事務所そのものの規模が原因で、これまで特に売上に影響が出たり、顧客の信用を損ねたといったことは皆無です。
もっと大きな事務所にしようと思えばできないことはないのですが、それよりも営業活動や人脈の構築、実務の効率性といった面にコストをかけたいと思っています。
自分の身の丈に合った事務所選びを
個人の価値観や目標は様々ですから、開業当初からとにかく立派で大きな事務所を構えたい、という考えに対しては否定も肯定もしません。
開業資金が十分にあり、最初から多くの仕事を獲得できる見込みや自信がある方は、大きな事務所を借りれば良いでしょう。
ただ新人行政書士がお金をかけるべきところは事務所の大小ではなく、やはり様々な営業活動です。
最初から立派な事務所に入居したものの、なかなか思うように仕事が入らず、結局小さな事務所を借り直して余計な出費が出てしまった、などというケースも多々あります。
開業してすぐ事務所を借りる場合、通常は最も大きな固定費となるのが事務所の家賃です。
事務所の大きさや規模という面に最初からこだわるよりも、自分の身の丈に合った事務所にすることが大事でしょう。