最近はテレビなどでも女性弁護士が活躍する姿をよく見かけるようになりましたが、行政書士の世界でも活躍する女性がとても増えてきました。これは大変喜ばしいことです。
行政書士の仕事というのは基本的に男性でなければ絶対にできない、という分野はないでしょう。
またクライアントがあえて男性行政書士を要望するようなことがない限りは、特に不利な点もありません(そうした要望は聞いたことがありませんが)。
実際、少なくとも私は仕事の中で男女の差別というのは見聞きしたことはありません。
顧客の側も依頼した仕事をきちんとやってもらえれば、特に性別は関係ないという人が大半なのではないでしょうか。
それでもあえて男性より女性行政書士が有利な点は?
ただ女性ならではの気遣いやきめ細かさ、物腰の柔らかさというのは、男性にはなかなか真似できない点ではあります。
そうした点は顧客からの印象として、男性行政書士よりも有利といえるかもしれません。
また女性の顧客が男性にはあまり相談しにくい案件というのもあるでしょう。
例えば男女関係、離婚関連などの少しデリケートな案件では、男性よりも女性行政書士の方が顧客の安心感を得やすいという面はあるかもしれません。
女性行政書士の絶対数が少ないのも有利に働く?
そして何より、女性行政書士が以前よりもかなり増えてきたとはいえ、まだまだ男性行政書士に比べると絶対数が少ないということがあります。
行政書士登録すると毎月送られてくる『日本行政』の巻末には会員動向が掲載されていますが、圧倒的に男性行政書士の方が多いことがデータでわかります。
ちなみに令和3年1月末日現在、個人開業行政書士の登録者数は男性が40,585名、女性が6,732名です。もう差は歴然ですね。
ですから『女性の行政書士』というだけでまだまだ目立つことができるのは、とても大きなメリットといえます。
経営者としてのビジネススキルが必要なのはどちらも一緒
もっとも行政書士は男女問わず同じ土俵で商売をしています。
行政書士としての実務能力はもちろんのこと、たとえ女性であっても、経営者としての能力が絶対に必要であることは言うまでもありません。
実務に対する自己研鑽を怠らず、経営者としての自覚と能力を高めることができなければ、いずれ廃業という道をたどることになります。
主婦の『副業感覚』で開業してもまず仕事はとれません
まして『主婦の副業』程度の感覚で開業したとしても、残念ながら仕事を獲得できるほど甘い世界ではありません。
資格予備校などでは『主婦でも無理なく副業感覚で仕事ができる』みたいな宣伝もしているようですが、そんな甘言に決してだまされてはいけません。
もしその程度の感覚で開業してしまった方は、毎年の会費を払うのはもったいないので(会費程度の売上さえ出すこともまず無理なので)すぐに退会した方がいいでしょう。
行政書士という肩書だけ欲しいのであれば別ですが(稼いでいない行政書士に価値はまったくありませんけど)。
副業で稼ぐどころか赤字になることは明白です。
もし副業として稼ぎたいのであれば、もっと割のよい仕事を探しましょう。今は人手不足の業界がいくらでもありますので。
行政書士というビジネスにおいて男女差はまったく関係ない
男女関係なく、商売人としてきちんとした戦略を立て相談対応や仕事ができなければ見込み客も集まりませんし、仮に顧客がついたとしてもどんどん離れていきます。
行政書士は言うまでもなくビジネスです。そして相手は百戦錬磨の経営者や、すでに情報をある程度知っている人たちになります。
自己研鑽を徹底的に行い、自分の仕事に対して価値を感じてもらうことができなければ、まず仕事につながることはありません。
ビジネスとして利益を出すことができなければ、当然のことながら経営は成り立ちません。
老若男女問わず、経営者として事務所を運営していくためには同じ商売人である以上、経営者としての自覚と実務スキルが必ず要求されます。
ここに男女差はまったくありません。
男性であろうと、女性であろうと、自分が有利だと思う点や経験上の強みを最大限に生かし、商売の成功につなげていくことが重要なことなのです。