行政書士も立派なサービス業です。
そのため、ないに越したことはありませんが、時に顧客から大小様々なクレームが入ることは避けられません。
そしてそのクレーム処理の方法を誤ってしまうと、仕事先が一つ減るだけではなく、行政書士事務所としての評判を落としてしまうことにもなりかねないのです。
一度評判を落としてしまうと業界内というのは意外と狭いもので、少なくとも同じ業界からの問い合わせや依頼が減少する可能性も大いにあります。
特に行政書士と関わりの多い建設業関連の業界は、縦横ともに深いつながりがありますので要注意です。
ですから今後のためにも、クレーム処理は迅速かつ慎重、丁寧に対応することを心がけましょう。
クレーム処理において最初に行うこととその後の対応
クレーム処理で最初に行う基本中の基本は、まず謝ることです。
たとえ相手の言い分や理由が理不尽なものであったとしても、まずはこちらが謝らないことには話が進みません。
どちらに落ち度があるのかは関係なく、それよりもいかに早く問題を解決するかが重要です。
先方に非があることを主張したりこちらが先に謝ることをしないと、余計に相手の怒りを増幅させてしまい、収拾のつかない状態になってしまいます。
まずはこちらが謝り、顧客の怒りを収めることに専念しましょう。
具体的な話はそこからです。
クレーム処理はその後の対応が肝心
まずこちらが謝り、相手が少し落ち着いてきたところで、顧客のクレーム内容を細かく聞き、その原因を具体的に突き止めていきます。
もしこちらに落ち度があれば、当然のことながら改めて誠意をもって謝ります。
また顧客の勘違いや顧客に落ち度がある場合のクレームでも、決して相手を責めるようなことをせずに、相手のメンツを決してつぶさないようにしましょう。
その後は、なぜそのような事態になったのかを丁寧に説明して、解決の手順を具体的に伝えます。
そうした案件は絶対に後回しにせず、できる限りスピーディーに問題解決を図ることが重要です。
丁寧かつ迅速にクレーム処理を行えば、その後も顧客との関係を悪化させるような事態は避けられるはずです。
ミスの少ない事務所運営が理想的ですが
行政書士も人間ですから新人、ベテランを問わず、仕事の中で思わぬミスを犯してしまうことはあります。
賠償責任が生じる問題がないとは限りませんので、行政書士賠償責任補償制度には念のため加入しておいた方が安心です。
莫大な賠償責任が生じるようなミスは致命的ですが、その後に何とかカバーできるようなミスであれば、それも良い勉強、経験になったと前向きに考えることも必要です。
クレーム処理というのは誰でも嫌なものです。
しかし行政書士というのは様々な顧客を相手にしている以上、これをまったく避けて通ることはなかなかできません。
クレーム処理を過度に恐れないこと
ただクレームを過度に恐れてしまうと、仕事を行うことや営業活動へのモチベーションが萎縮してしまい、結果として売上も伸びていきません。
しかしほとんどのクレームは、相手の怒りへの理解、誠意で解決できるものです。
ミスのない事務所運営というのが理想ではありますが、どれだけ綿密にチェックを重ねてもミスは起こることがあります。
これは新人でもベテランでも同じことです。
逆にクレームやミスに対して上手な対応ができれば、顧客からの信頼を取り戻すだけでなく、行政書士としての評判もよくなる可能性があります。
ミスやクレームを過度に恐れず、もし何らかのクレームがきたりミスが起きても、丁寧かつ冷静に対応できるメンタルも鍛えていきましょう。