行政書士として個人開業した場合、毎年確定申告をすることになります。
そして、確定申告書を作成するにあたって、最も重要なのが経費処理のための領収証の管理です。
領収証については、確定申告の際に提出は不要ですが、申告内容に不備や不明確な点があったようなとき、場合によっては税務署に提示を求められることもあります。
領収証は、かつては手書きの金額やあて名が書かれたものが一般的でしたが、今はむしろ明細がはっきりとわかるレシートの方が管理しやすいと思います。
しかし、購入品の明細や店名、日付などがはっきりと記載されていないようなレシートの場合は、手書きの領収証を書いてもらった方がよいでしょう。
領収証の保存方法は?
領収証は確定申告際に提出は不要なので、税務署に説明を求められた際に確認できるようになっていれば、あまり保存方法などにこだわる必要はありません。
日付順にノートなどに貼り付けておいたり、ホチキス止めして保管しておいても構いません。
領収証には必ずメモを残す
仕事上の付き合いによる飲食代やお歳暮、手土産、慶弔費などの、いわゆる接待交際費というのもよくある支出です。
そのため、仕事関係で使ったことがはっきりとわかるように、顧客の名前や打ち合わせ内容等を裏にメモしておきます。
また、自宅事務所の場合、自宅の日用品と事業用の買い物が混在してしまうことがよくあります。
そのような場合には、記憶にあるうちにメモしておかないと、経費計上をし忘れてしまうといったことも出てきますので注意が必要です。
逆に、面倒だからといって自宅の日用品なども含めて全額計上してしまうようなことがあると、もし後に税務調査が入ったとき、その点を指摘されてしまうことがありますので注意しましょう。
領収証が出ない出費については?
例えば、慶弔関係の出費やコピー代、交通費など領収証が出ない出費については、出金伝票で処理をすることになります。
交通費など頻繁に発生する経費については、交通費精算書などを作成して、1か月分をまとめて処理してもよいでしょう。
なお、最近では電車やバスといった公共交通機関を使う場合、いわゆる電子マネー(SuicaやPASMOなど)で決済する方も多いと思います。
こうした電子マネーについては利用明細を出すことができます。仕事の予定表などと照らし合わせて、業務上で利用した分について管理するというのもひとつの方法です。
面倒な作業ですが確定申告の際に苦労せずに済みます
こうした経費管理というのは、はっきり言って最初はとても面倒な作業です。
前職などで経理部門の経験がある、という方にとっては慣れた作業かもしれません。
しかし、特に一般的なサラリーマン経験しかなく、自分で確定申告の経験がない方は、やはり最初はかなり苦戦することがあるかもしれません。
年度末にバタバタと時間をとられてしまい、肝心の仕事に支障が出るようでは困ります。
売上が伸びてくれば経理の事務員さんを雇うなり、税理士にアウトソーシングすることも考えなければいけませんが、開業したばかりの新人行政書士のうちは自分で行うことになるでしょう。
確定申告はクラウド会計サービスとe-Taxを活用する
もっとも、今は簡単に記帳や帳簿作成ができるやよいの青色申告オンライン
、やよいの白色申告オンライン
といった安価で便利なクラウド会計サービスもあります。
これは私の事務所でも利用していますが、本当に簡単で便利なサービスなのでお勧めです。
なお、白色申告も青色申告と同様に各種帳簿の備え付けが義務化されましたので、あえて白色申告を選択するメリットはありません。開業したら迷わず特典の多い青色申告を選択しましょう。
また、確定申告もe-Taxで行えるようにしておき、普段の経費管理さえしっかり行っておけば、そう苦労することもないでしょう。
個人事業主となったからには、普段から毎月の領収証の整理や記帳など、経費処理についてもきちんと意識するように心がけましょう。