PR
行政書士事務所運営・経営

完全下請け体制に依存するのは危険~仕事は自分でとることを柱にする

新人行政書士事務所の開業・運営・営業・実務マニュアル 行政書士事務所運営・経営

行政書士事務所の中には、特定の一社から、あるいは他の行政書士事務所や他士業などからの、いわゆる『下請け』を中心に請け負っているところもあります。

下請けというのは、いわば労せずして同じような仕事が大量に入ってくる『おいしい』仕組みのように見えます。

そしておそらく売上は確実に伸びます。仕事はあるので当たり前ですが。

そこにマンパワーをかけてルーティーン化し、業務を効率化できれば人件費を抜いてもかなりの利益をあげることは可能かもしれません。

ただし売上のほとんどをこの下請けに依存している状態というのは、とても『危険な』経営手法だということも頭に入れておきましょう。

PR

自分で仕事をとることを柱とする重要性を認識する

なぜなら下請けは『切られたら終わり』だからです。単純な話ですね。

もし同じ仕事をより安く行っている行政書士がいれば、元請けがそちらに仕事を流していくのは当然の市場原理です。元請けの経営判断としては正しい選択ですから。

そこで仮に単価を下げて継続させてもらったとしても、売上が落ちるのはもちろん、またいつ切られるのかわからないという、とても不安定な経営が続くことになります。

今時、ビジネスで『義理人情』といったものは通用しません。

つまり下請けに完全依存しているような経営は、常に廃業というリスクを背負って仕事をしているという、非常に危険な状態なのです。

自分で仕事をとることを軸とする経営へシフトする

私のよく知っていた行政書士も、この下請け体質にどっぷり漬かった経営をしていたばかりに、ある日突然仕事がなくなり、廃業という憂き目にあってしまった方が実際にいました。

実務能力も高く有能な方だっただけに、とても残念なことです。

完全下請け体質に一度陥ってしまうと『自分で仕事をとっていく』という思考に切り替えることが難しくなってしまいます(というよりもまず無理です)。

そして切られてしまえば、あとは転げ落ちるのみです。怖いですよね。

だからこそ自分で仕事をとっていくということを軸とした経営努力が必要であり、集客の仕組みをしっかりと構築し、強い経営を目指すべきなのです。

新人行政書士の方は、まず自分で仕事をとっていくことの重要性をしっかり認識してください。

リスクヘッジとしてキャッシュポイントは必ず分散する

もっとも下請けはまったくやらない方がよいというわけではありません。

ただそこだけがキャッシュポイントの多くを占めてしまうようになると危険ですよ、ということですね。

下請けをやっていくにしても他にキャッシュポイントをもっていれば、切られても多少売り上げが下がるだけで済むかもしれません。

経営者としては、やはりこうしたリスクヘッジをしっかり整えておくべきであり、元請け完全依存体質の経営にならないことが重要です。

たとえひとつ、ふたつ仕事が切られたとしても、自分で仕事をとれる力さえ身についていれば、すぐ元に戻すことができます。

PR

おいしい話には裏がある~経営判断と自助努力が必要

確かに『あなたのところに仕事は全部任せるよ』といった話は、おいしい話でしょう。

何しろ自分で集客しなくても仕事がどんどん入ってくるようになるのですから。

しかしおいしい話には必ず裏がありますし、それでどんどん仕事が入ってくるようになってしまうと、他の仕事を受けるだけの余力がまずなくなります。

結果として下請け体質に陥り、いつ切られてもおかしくないという危険な経営となってしまうのです。

下請けはやらないという経営判断もアリ

ちなみに私の事務所では、そういったお話は一切受けていません。

誰でもできる単なるルーティーンワーク的な仕事は好きじゃないということもありますし、単価がかなり安いことがほとんどなので。

同業者や他士業から仕事を振られることは多々ありますが、すべてスポット案件のみです。

値切ってくるような方(顧客だけでなく同業者や他士業でも)や怪しい案件は一切受けません。

そして基本的に自分で集客して仕事をとったり、優良な顧客からの紹介案件しか行っていませんので、特に仕事を振られなくても経営に響くこともありませんしね。

新人行政書士は特に狙われやすいので要注意

まだ業界の相場がよくわかっていない新人行政書士は、元請け先から結構狙われやすいので注意しましょう。これはほんとによくある話ですから。

何だかたくさん仕事が入ってくるみたいだし、といってぬか喜びしていると、後々大変な思いをすることになります。

単価の安い仕事を延々とやり続けた挙句に、ある日突然切られて経営難、結果として廃業という道が待っています。

行政書士という仕事を続けていくのであれば、自分で仕事をとっていく、ということを軸にした強い経営を目指してください。