行政書士事務所は、飲食店や一般の商店などと違って、ただ看板を掲げたからといってお客様がどんどん集まる商売ではありません。
なぜなら行政書士がどのような仕事をしているのか、世の中に十分浸透していない、まったく知られていないからです。単純明快ですね。
しかし大きな成功をおさめている行政書士は世の中に数えきれないほどいます。
また近年の難しい行政書士試験に合格したにもかかわず生活さえままならなくなり、廃業を余儀なくされる行政書士も決して少なくありません。
どこでこの差がつくのでしょうか。
開業した時からあなたは経営者です~経営者マインドの重要性
それは行政書士も経営者であり、商売人であるという自覚があるかどうかに尽きます。
よく『行政書士になって食っていけますか?』という質問をする方がいます。
しかしこうした質問はまったくの的外れです。
そもそも『行政書士は』という資格に依存した考え方をしている限り、残念ながら成功することはできません。
行政書士であっても他士業でも、八百屋さんであっても、ラーメン店であっても、何の商売をやるにしても同じです。
例えばラーメン店を開業するにあたって『ラーメン屋で食っていけますか?』などと人に質問するのはナンセンスでしょう。
ラーメン屋さんで起業する人は、とにかく美味しいラーメンを作ることで商売に成功する、ということしか考えないはずです。
経営者マインドに転換できなければ成功はない
行政書士も開業した時点から経営者です。この自覚をもって商売をやっていけるかどうかこそ、最も重要なことです。
経営というのは成功する人もいれば、残念ながら失敗する人もいます。これはどのような商売であっても同じです。行政書士をはじめ他士業も例外ではありません。
こうした自覚をもって開業を考えることこそ、成功する行政書士の大前提なのです。
行政書士はサラリーマンのように、毎月決まったお給料をもらえるわけではありません。経営者として事務所を運営し、依頼された仕事を遂行することで報酬が得られる世界です。
これから行政書士事務所を開業する方は、安定したサラリーマン意識から経営者マインドに転換してく必要があります。
経営者マインドに意識を転換できなければ、それこそ食えない行政書士になってしまうのです。
行政書士という肩書はあまり意識しない
世の中に行政書士の仕事が認知されていないことは前述しました。
では行政書士の仕事を世の中の人に知ってもらい、自分に仕事を依頼されるようになるにはどうしたらいいでしょう。
それは行政書士を前面に押し出すのではなく、自分に何ができるのか、どのようなサービスを提供できるのかを明確にアピールすることです。
例えば何が売っているのかよくわからないお店には入りにくいのと同じで、何が自分の売りなのかをはっきりさせないと、顧客は何をしている人なのかわからないのです。
行政書士も商売人~資格は仕事をするための単なるツール
しかも行政書士の仕事は非常に幅広く、一説には(数えたことはありませんが)1万数千種類の業務内容があるとも言われています。
ですから、なおさら自分の強みや得意分野を明確にわかりやすくアピールすることが求められます。
もちろん得意分野、専門分野と掲げるからには、実務についての深い知識を身につけるための自己研鑽も欠かせません。
行政書士という資格は、単に仕事をするためのひとつのツールに過ぎません。
行政書士という肩書はいったん脇に置き、どうすればお客様に自分の仕事をわかりやすくアピールできるのか、利益を出せる経営ができるのかをぜひ考えてみましょう。