現役の行政書士の中には、新人行政書士も異業種交流会には積極的に参加した方がよい、と説いている方が多数います。
確かに異業種交流会というのは、様々なビジネスを行っている優秀な経営者が多数いる可能性がありますので、そういった方と直接交流できることは有意義なことかもしれません。
一度にたくさんの方と名刺交換することができる機会という点においても、異業種交流会のメリットは大きいように感じます。
ただ私としては、新人行政書士、特にまだ実務経験がほとんどない新人行政書士がいきなり異業種交流会に参加したとしても、営業方法としてはそれほど効果があるとは思っていません。
異業種交流会はあくまでもビジネスの場
そもそも、異業種交流会というのは様々な業種の方がビジネス上の交流をはかる目的で開かれているものです。
つまり、自分のビジネスにプラスとなる人脈や営業先を虎視眈々と探しに来ているわけです。
交流会とはいっても、別にお友達を探しに来ているわけではありません。
まずはその点をしっかり理解しましょう。
相手にメリットを感じてもらわなければ意味がない
ですから、もし行政書士が異業種交流会に参加するのであれば『この行政書士とつながっておけばウチにとってメリットがあるな』と感じてもらわなければならないのです。
そのように感じてもらう、対等にビジネスの話ができるようになるには、やはりある程度の実績や経験を積んでおくことが必要になってきます。
そういう意味では、実績も経験もない新人行政書士がいきなり参加して営業活動を行っても、可能性はゼロとは言いませんが、まず仕事につながる人脈を築くことは難しいでしょう。
厳しいようですが、これがビジネスの現場というものです。
何しろ相手は百戦錬磨の経営者なのですから。
こちらもそれなりの実績をアピールできなければ、とてもビジネスが成立することはありません。
人脈を築きたいならまずは実績づくりに励むこと
ビジネスのための人脈を築きたいのであれば、まずはとにかく実績をつくらなければなりません。
0を1にすることはとても大変なことですが、1を10、20にしていくのは、行政書士としての経営努力を怠らなければ、それほど難しくはありません。
0を1にするためには、まず自分のあらゆる人脈をフル活用して、とにかく実績をつくることが重要となります。
そうして次第に実績を積み上げていくことで、ようやく相手と対等にビジネスの話ができるようになります。
相手の立場で考えれば何の実績もない行政書士よりも、ある程度の実績や力のある行政書士とつながっておく方がメリットを感じるのは当然のことです。
そうなれば自分の強みをアピールできるようになり、自然と営業効果も高まります。
異業種交流会を活用して人脈を広げたい、営業活動を行いたいのであれば、自分は何ができて強みは何かということを、自信をもってアピールできるようになってからの方が効果的でしょう。
自分の強みを徹底的に鍛え上げていくこと
実績をある程度つくることができれば、あとは自分の強みを徹底的に磨いていくことです。
この分野に関しては少なくとも地域内では誰にも負けない、といったところまでいけば、どこに出ても自信をもって人脈となるメリットを感じてもらえるようになるでしょう。
そのくらいになってくると、同業者や他士業にも一目置かれる存在になりますし、自然と優良な人脈が構築されていくものです。
新人行政書士が人脈をさらに広げていこうとするなら、まずは実績をつくって自分の強みを徹底的に磨き、ビジネス感覚を身につけることです。
もし異業種交流会を活用した人脈づくりを考えるのであれば、実績と強みを身につけ、相手と対等にビジネスの話ができるようになることをまずは目指していきましょう。