行政書士の仕事は非常に幅広く、世の中に需要のある分野だけでも数多くあります。
また、ホームページを開設している事務所も非常に多いですから、もしホームページで仕事を受注することを考えるのであれば、そうした数ある事務所の中から見込み客に選ばれる内容にしなければなりません。
競合の激しい都市部などで新人行政書士が割り込むには、ある程度のコストをかけて、リスティング広告(GoogleやYahoo!検索に表示される広告)などを使うことも検討しなければならないでしょう。
では、行政書士がWEB集客を行うにあたっては、どのような基本戦略をとるべきなのでしょうか。
何でも屋では選ばれにくい~専門特化型サイトで集客
行政書士がホームページを開設する目的は様々です。
ホームページ以外の集客ですでに実績を上げているのであれば、単に事務所案内的なものでも名刺代わりとして、行政書士が行う仕事を列挙しておけばいいでしょう。
しかし、もしWEB集客を狙うのであれば、それだけは十分な集客効果はありません。
ホームページは専門特化型が有利?
新人行政書士がホームページを集客の営業ツールとして使うのであれば、行政書士業務をただ列挙しただけでは、まず十分な結果を出すことはできません。
例えば、自分が見込み客の立場になって、ホームページで建設業許可業務を行ってくれる行政書士を探すと仮定してみましょう。
『建設業許可申請も相続や遺言書も風俗営業許可も内容証明作成など何でもやります』という事務所と、『建設業許可申請が専門です』という事務所では、やはり後者を選ぶ可能性が高いと思います。
また、ある程度地域も絞り込んでみるとさらに効果が高くなります。
例えば『埼玉の建設業許可申請ならお任せください』『○○市の相続手続きならお任せください』などといったように、その地域の見込み客が選びやすい売り文句を使い、ピンポイントでアピールするのです。
業務特化型・地域特化型で営業するメリット
そうは言っても、業務特化型、地域特化型では見込み客を取りこぼしてしまうのでは、と考えている方がいるかもしれません。
そう考えるのであれば、自分が行うことができる、これからメイン業務に据えていきたい分野のホームページをどんどん特化型でいくつも作ればいいのです。
何もホームページは一つである必要はありません。
業務特化型のサイトを量産して集客するという手法は、特にインターネットでの集客を考えている方にとっては有効な手段と言えます。
そうすることで地域の見込み客を少しでも多く囲い込むことができれば、業務の効率化という点でもメリットは大きいかもしれません。
特に、許認可系の仕事については、地域によって提出書類などが異なることが多いですから、業務内容や地域を絞ってしまうことで結果的に仕事が効率化されます。
ホームページはとにかく更新して育てることが重要
ただし、ホームページというのは作りっぱなしでは効果がたちまち落ちてきます。
検索エンジンも日々進化してきていて、内容や情報の鮮度といったものも検索順位の要素として重視される傾向にあるからです。
いわゆるSEO対策(検索エンジン最適化)においては、コンテンツの充実が欠かせません。
ですから、ホームページで集客を狙うのであれば、自分でしっかり内容や情報の更新といったメンテナンスができる範囲で行うことが必要です。
自分で管理するのが難しくなれば、必要に応じて外注してしまうという手段もあります。
自力、他力を問わずホームページは『育てていくもの』なのです。
特化型という狭い入口から出口が広がることも
特化型というのは、確かに見込み客の入口は狭くなります。
しかし、世の中の多くの見込み客というのは、行政書士は何ができるのか、という仕事の内容をほとんど知りません。
ですから、見込み客に分かりやすい特化型の狭い入口から呼び込み、そこですかさず、実はこんな仕事もやっているんですよ、というアピールをすることもできます。
つまり、入口は狭くても、出口はいくつも作り出せる可能性があるのです。
実際、私は相続や遺言の仕事を専門にしていますが、たまたま商売を営んでいる顧客の相続手続きを行い、その後もまったく違う業務でお付き合いをしている、というケースが多々あります。
WEB集客を考えている新人行政書士の方は、まず自分のやりたい分野や地域の特化型ホームページで攻め、まず結果を出してから、その後に業務範囲を少しずつ広げていくことをお勧めします。