行政書士の仕事は書類作成も多いものですが、各種の許認可申請や添付書類などが必要な場合、委任状をもらわなければならないケースも少なくありません。
一口に委任状といっても様々なものがありますが、自分の行っている業務内容で使うことが多いものについては、当然すぐに用意できるようにしておかなければなりません。
ただ、事務所であればすぐに用意することができても、客先などで『そういえば、これもお願いします』などといった急な業務依頼も多いものです。
そこで、自分の行っている業務内容に関係するものであったり、顧客からもらう必要がある可能性があるような委任状については、常に用意しておくと何かと便利です。
行政書士業務では何かと使うことが多い『委任状』
委任状は申請業務そのものを行う際に必要な場合もありますし、添付書類を取得する際に必要となる場合もあります。
申請業務で添付する必要があるものについては、当たり前ですがあらかじめ用意しておかなければなりません。
しかし、使うかどうかはわからないけれども、使う可能性もあるような委任状も常に用意しておくと、急な業務依頼や添付書類が必要になった場合でも、二度手間とならずに済みます。
実際に業務をこなしていくとわかりますが、委任状が急に必要となるケースは意外と多いのです。
自分の行っている業務内容に応じて、必要となりそうなものを常に持ち歩いておくことをお勧めします。
委任状が素早く用意できれば業務の効率化にもつながる
委任状を用意しておくと、その場ですぐに作成することができますから、わざわざ事務所に帰って委任状を改めて用意し、再度客先へ、などといった手間が省けます。
結果的に業務の効率化にもつながり、迅速な業務処理ができるのです。
私は汎用のものをはじめ、顧客によっては必要になるかもしれない、といった委任状も念のため持ち歩いています。実際、使うことも結構多いですからね。
委任状がないと取得できない添付書類も多いですから、もらったその足ですぐ添付書類を取得してしまうことも多々あります。
いわゆる『白紙委任状』を作成するのは絶対にNGです
ただし、いわゆる『白紙委任状』なんてものをもらうのは法律家として絶対にNGです。
白紙委任状というのは文字通り、何を委任するのか何も書かれていない委任状のことです。委任者が署名と印鑑を押しただけのものですね。
何を委任するのか書かれていないのですから、悪用しようと思えばいくらでも悪用できる書類となってしまうことになります。
知らず知らずのうちに悪事の片棒を担ぐようなことのないように
これはよく悪質な貸金業者などが使う手口なのですが、債務者から白紙委任状をとり、勝手に公正証書などを作成して財産の差し押さえに使うこともあるといった『とても危険な』ものなのです。
なお、白紙委任状を使って委任した書類を取得することは、貸金業法で禁止されているうえに罰則もあります。
私たち行政書士も、委任状があれば公正証書作成者の代理人となることが可能です。もしかすると知らず知らずのうちに『悪事の片棒を担ぐ』ことにもなりかねないので注意しましょう。
少なくとも、どのような内容の公正証書遺言作成者の代理人となるのか、ということはしっかり確認しなければなりません。
何だかよくわからないけど代理人を頼まれたから受任した、なんて仕事はプロとして論外です。
もっとも、行政書士自身が不正目的で委任状をもらうといったことは、通常まずないとは思いますが、委任状というのはとても重要な書面であることはよく認識しておくべきです。
顧客にはきちんと委任内容や意味を説明し、汎用のものであればその場でさっと委任内容をはっきり記載したうえで署名捺印をもらうようにしましょう。
プロの仕事としては当然のことですね。