顧客が行政書士に業務を依頼するにあたっては、やはり業務報酬額がいくらなのかという点が一番気になるところであり重要な点です。
すでに多くの業務を経験してきていれば、必要な業務の動きがすでに十分頭に入っているので、その場で正確な見積もりを出すことも可能だと思います。
しかしまだ実績の少ない新人行政書士の場合、その場ですぐに見積もり額を出すことは避けるべきです。
業務内容によっては自分で設定している報酬額もあると思いますが、たとえ同じ業務であっても、かかる手間や時間コストは異なります。
そこで大事になってくるのは、きちんと利益になる正確な報酬額を算出し、顧客に対して適正な価格を提示することです。
まずは一度事務所に持ち帰る時間をもらう
ある程度経験のある業務であればともかく、もし経験の少ない業務を依頼されたら、まずは正確な見積もり額を出すために、一度事務所に持ち帰る時間をもらいましょう。
もちろん顧客はできるだけ早く見積もり額を知りたいですから、こちらも正確な価格を迅速に算出し、顧客に伝えるようにすることが肝心なことは言うまでもありません。
利益のきちんと出る正確な見積もり額を迅速に出すためには、やはり顧客から聞き取ったヒアリングシートや業務フロー表を作成して割り出すことです。
こうして見積もり額をきちんと出してから、顧客に提示するように心がけましょう。
なぜ正確な見積もりが大事なのか
行政書士事務所の多くは、かかる手間や時間コストなどに関係なく、業務の種類別に一律で報酬額を設定していると思います。
しかし先にも述べた通り、同じ業務であっても案件ごとにかかる手間や時間コストは異なります。
ですから正確な見積もり額も当然異なるはずです。
報酬額が一律ということは、比較的簡単に終わる業務と手間がかかる業務の報酬額を同じにすることで、利益を相殺しているということです。その方が楽ですから。
よくあるのは『建設業許可申請〇〇パック』『相続手続き〇〇パック』などといったものですね。
ただそれぞれの案件に応じて報酬額をきちんと算出して適正な報酬額を決めていく方が、一律に報酬額を設定するよりも利益は確実に大きくなります。
最も重要なのは見積もり額の正確さと迅速さ
ヒアリングシートや業務フロー表をもとに正確な見積もり額が算出できたら、できるだけ早く顧客に提示するようにしましょう。これは早ければ早いほど良いです。
午前中に打ち合わせしたのであれば当日中、午後から夜間であれば翌日の午前中には回答したいところです。
もちろん大きな仕事で手間やコストも多くなる業務については、多少の時間をもらう必要があると思います。その点は顧客も納得してくれるでしょう。
しかし一般的な業務に関しては、正確な見積もりを出すのにそれほど時間は要さないはずです。
見積もり額が確定したら迅速に顧客へ伝えるようにしてください。
顧客からの信頼や安心感を得るには、ただ間違いのない仕事をするだけでなく、動きが早いという点も大事なことです。
こうした経営努力を怠らず、多少面倒であっても迅速かつ丁寧に利益を出す仕事を続けていくことが、儲ける行政書士の条件であることを認識しましょう。