行政書士に限らず他士業も『無料相談』を前面に打ち出して集客しているケースが多くなってきています。
もはや無料相談なんて当たり前、といった感もありますね。
ということで単に無料相談を打ち出したとしても、集客する手段として他と差別化はできないということになります。
一方で無料相談を一切行っていない行政書士事務所であっても、しっかり集客できているところもたくさんあります。
私の事務所も無料相談は行っていません。
では新人行政書士が集客するにあたっては、どこで差別化をはかっていかなければならないのでしょうか。
無料相談を打ち出しただけでは集客できないワケ
もはや無料相談なんてフレーズだけでは差別化できないのは冒頭の通りです。そして無料相談というフレーズだけで事業として集客できるほど甘くはありません。
もし無料相談で十分な集客を実現したいのであれば、その方法はただひとつしかありません。
それは『お金を使う』ことです。
新人行政書士事務所はまず存在を世の中に知ってもらうこと
そもそも無料相談うんぬんの前に、新人行政書士事務所は世の中に知られていない以上、いくら無料相談を打ち出したところで集客できないのは当たり前のことです。
無料相談が当たり前のように行われている中で、何とか事務所をアピールして集客したいと考えるのであれば、お金を使うしかありません。
今どきWebサイトなどで無料相談を打ち出しただけでは、事業として十分な集客などできないことをまず認識しましょう。
新規顧客を獲得するためには相応のコストが必要不可欠、というのはマーケティングの常識中の常識です。
まして世の中に事務所の存在が知られていない新人行政書士事務所なら、なおさらでしょう。
もし無料相談を利用して集客するなら明確な目的意識が必要
私は個人的に、単なる無料相談という方法での集客はお勧めできません。
『他も無料でやってるから』などといった安易な考えでは、いつまでたっても利益が出せる事務所にはならないからです。
ただし、無料相談を行うにしても、その先の明確な目的意識、戦略がしっかりあれば話は別です。
例えば、無料相談を利用して情報を集め、次のアプローチを仕掛けていくといったように、一期一会で終わらせないための戦略的な手段として利用するといったことです。
一般の企業では当たり前のように行っている手法ではありますが、士業でそこまで行っている事務所というのはそう多くありません。
つまり、それだけでも一応は差別化につながる可能性はあるということです。
数打てば当たる、といったところでしょうか。
無料相談に頼らなくても集客できる事務所を目指す
なお、私の事務所では無料相談を行っていません。それでもしっかりと利益を出すことができています。
なぜなら一件一件の相談を大事にして、相談の段階で問題を解決してあげるくらいの気構えで臨んでいるからです。
相談料をいただいているのですから、プロとして当たり前のことではあるのですが。
それくらいの気構えで相談業務を行っていると、それは必ず相談者にも伝わります。そして結果的に顧客満足度も上がり、おのずと成約率も高くなるのです。
相談者数自体は無料相談を行っている事務所よりも少なくなるでしょう。
ただし、成約率が高いので時間コストを無駄に削られることなく、効率的に利益を出すことができるのです。
また、その副産物として他の顧客を紹介してもらうことも多いですね。今では顧客からの紹介や他士業からの紹介といった案件だけでも、かなりの利益をあげることができています。
信頼と信用というのは、士業にとって最大の武器となるのです。
徹底的な自己研鑽と情報収集を怠らないこと
その代わり、相談者の満足度を高めて信用を得るためには、まず徹底的な自己研鑽と情報収集が必須です。プロとして相談を受けるのであれば当たり前のことでしょう。
そして新人行政書士であっても、実務知識をはじめとする自己研鑽と情報収集を怠らなければ、必ず相談者の満足度を上げていくことはできます。
コミュニケーションスキルというのも重要ですね。
そうした事務所経営ができれば、無料相談といった手法を使わなくても、価格競争などとは無縁な優良顧客だけを相手にしていくことができるようになるのです。
無料相談で集客するのは簡単なことではありますが
『無料相談』を前面に打ち出して集客することは、相応のコストをかければ誰でもできます。開業最初は勉強と割り切って無料相談を受けるのもよいでしょう。
しかし、利益を出す事務所となるために最も大事なことは、時間コストと成約率をしっかりと意識することです。
無料相談というのは敷居が下がる代わりに、『教えて君』『無料ハンター』といった人も相手にしなければならなくなります。
これは本当に利益につながらない無駄な時間となります。
事務所として本当に差別化をはかるのであれば、マーケティングや経営の勉強はもちろんのこと、専門家としてのスキルで勝負できる行政書士になることを目指していきましょう。