行政書士の仕事を得るための一番簡単な方法は、どこの事務所よりも単価を安くすることです。
自分の仕事を安売りして集客すれば、価格を第一に考える見込み客はどんどん集まるでしょう。
ただし、このやり方で仕事を続けていけば、忙しいのにまったく利益は出ないという状況に遅かれ早かれ陥ることになります。まさに負のスパイラルです。
行政書士が利益を出すために考えなければならないのは、安さを売るのではなく、いかに質の高いサービスを高く売ることができるかどうかです。
そして行政書士が安売りすることなく、サービスを高く売るための戦術というのは、意外とシンプルなのです。
行政書士がサービスを高く売るための戦術とは?
行政書士のサービスを高く売ることができるようになるためには、次のような点に注力していくことが求められます。
業務の専門性を高めていくこと
高い専門性をもっていれば、値下げなどすることなく優良な見込み客を集めることができます。
専門性を求める見込み客というのは、価格よりも質を重視するからです。
自分の能力や専門性をアピールして見込み客に伝えることができれば、報酬額を高く設定していても仕事は必ずとれます。
もちろん、専門性を高めるためには常日頃からの自己研鑽が欠かせませんし、他のどの事務所よりも質の高いサービスを提供できるという自信をつけなければなりません。
こうしたサービスを徹底していけば、安売りで数を稼いで雑な仕事をせざるを得ない事務所には、絶対に負けることはありません。
質を重視する優良な顧客というのは、そうした点をきちんと見抜いています。だからこそ、こちらも質の高い、丁寧で迅速な仕事をすることが重要なのです。
パーソナルな部分でも差別化はできる
これは人柄や誠実さといった、商売人としては当たり前のことではあります。
『多少高くてもこの行政書士に頼みたい』『この行政書士と付き合っておけば商売のプラスになるかも』といったことを見込み客に感じてもらうことが重要です。
優良な顧客との信頼関係をしっかり深めることができれば、価格競争とは無縁の仕事ができるようになります。
安く仕事を受けて、とにかく数をこなすことに躍起となっている事務所というのは、どうしても仕事も顧客対応も雑になります。
そのような事務所に依頼してしまった方が、私の事務所へ駈け込んできて相談してくることも少なくありません。
まさに『安かろう悪かろう』の典型です。こうした仕事をしている限りは、顧客満足度をあげて優良な顧客を獲得することはできません。
また、そうした仕事をしている事務所というのは『安い顧客』を呼び寄せてしまうものです。
何の戦略もなくただ安さをウリにしてしまうと負のスパイラルに陥り、遅かれ早かれ経営は破たんします。


先にも述べた通り、質を重視する優良顧客というのはそうした点をすぐに見抜きます。行政書士の仕事は、真面目に誠実な仕事をすることだけでも、十分差別化がはかれるのです。
顧客に仕事の価値を理解してもらうことが重要
私が仕事をするうえで心がけているのは、実はこうしたシンプルな戦術だけです。
私の事務所は基本的に相談も有料ですし、報酬額も決して安くはありません。むしろ他よりも高い報酬額で仕事をしていると思います。
また、見積もり額に対して値下げを要求するような方の依頼は一切受けません。
それでも事務所として利益が出ているのは、業務の専門性を高めるための努力を怠らないこと、真面目で誠実、丁寧な仕事を心がける、といったシンプルな姿勢が軸になっているからです。
価値を感じてもらう仕事ができれば利益は必ず出る
行政書士は多くの見込み客を集客することも重要ですが、いくら集客できたとしても、まず自分の仕事に価値を感じてもらわないことには、利益を出す仕事ができるようにはなりません。
自分の仕事を安売りして雑な仕事をしているようでは、いつまでも顧客の信頼を得ることはできません。目先の売上よりも、先を見据えた経営で利益を出すことが大事なのです。
新人行政書士の方も、専門性を高める自己研鑽を常に行いながら、優良な見込み客を相手に仕事ができる環境づくりに取り組んでいきましょう。
一件一件の仕事を丁寧で誠実に行っていくことは、後々の経営に必ずプラスとなっていきます。