行政書士の仕事というのは、例えば顧問契約という形がとりづらいものが多く、どうしてもスポット的なものになってしまいます。
新規顧客を獲得し続けるための営業だけでは、なかなか事務所経営は安定していきません。
そこで、少しでも安定して長く行政書士を続けていくためには、リピーターや顧客からの紹介案件を増やさなければなりません。
そのためにも、顧客リストの管理と礼状やセールスレターなどの送付は大事なことです。
顧客リストをきちんと管理し、タイミングよく効果的な文書を送付したり、電話でのコンタクトなとをとってみましょう。
顧客をリスト化しておくことの重要性
顧客リストについては、これから仕事をしていく中で必要な項目を記録しておくものです。
顧客が企業であれば、社名や住所、電話番号やFAX番号はもちろん、担当者の名前や部署、どのような業務を依頼されたのかなど属性を整理して、できるだけ詳しく情報を集めておきます。
顧客リストは紙ベースで管理するのもよいのですが、エクセルなどを使用して作成した方が項目の追加なども容易に行うことができますので便利です。
ただし、顧客リストは重要な情報ですから、パソコンなどで管理する際は必ずバックアップをとっておきましょう。
顧客リストの整備というのは、今後の行政書士事務所の経営を左右するほど大事なものであることを認識しておいてください。
礼状や情報提供、セールスレターを送付する
一度依頼があった顧客については、顧客リストをもとにして礼状や情報提供、セールスレターなどを送付します。
礼状は、仕事が完了したときや報酬の振込があったタイミングで送付するとよいでしょう。
また、暑中見舞いであったり年賀状なども、顧客と接点を継続していく方法、存在を忘れられない方法としては効果が期待できます。
次に、情報提供というのは、例えば法改正や制度の変更など重要な情報を入手した際などに、顧客にその情報を伝えてあげるものです。
業務分野によっては頻繁に法改正などが行われ、これまでとは異なる手続きなどが必要となる場合があります。
常にアンテナを張り巡らせて情報収集しておき、有用な情報があれば顧客に伝えてあげましょう。
セールスレターというのは、例えば、一度依頼された業務だけでなく、それに関連した業務についても対応できることを伝え、別の依頼の獲得を狙うものです。
もっとも、あまり頻繁にセールスレターを送付するのは逆効果なので、例えば決算時期などのタイミングを見計らって適度に送付するのが効果的です。
顧客との接点を継続していくのが重要なポイントです
これらの書面は、顧客との接点を継続していくためのものです。
たとえ依頼された仕事がスポット的なものであっても、このように顧客と密に接点をもっておくことで、別件の相談や依頼、紹介につながっていくことは少なくありません。
また、これは企業だけでなく、個人の顧客についても同様です。
こうした顧客をリスト化した営業手法というのは、一般企業では常識的なマーケティング手法なのですが、意外とできていない行政書士も多いものです。
既存の顧客からサービスをリピートしてもらう方が、新規顧客を獲得するための営業コストや手間がかからない分、利益も大きくなります。
新人行政書士であっても、地道に顧客リストを整備して顧客との接点を保っていくと、かなり早い段階で安定した業務の獲得ができる可能性があります。
どちらもコストや手間は微々たるものですから、顧客が少ない新人行政書士のうちに習慣づけてしまいましょう。