行政書士は基本的に、行政書士法という法律に則って仕事をしています。
また業務内容によっても関連する法律というものは切っても切り離せません。
そして行政書士法には行政書士として業務を行う上での重要な条文も多々あります。
ですから行政書士として仕事をするからには、この行政書士法の読み込みというのは基本中の基本であり、絶対に欠かせません。
しかし意外とこれをきちんとやっていない行政書士も多いものです。
行政書士法はとても大事な法律です
私たち行政書士にとって行政書士法をしっかり読み込んで理解しておくというのは、とても重要なことです。
行政書士が業務としてできること、できないことをきちんと理解するためにも、まずは足元の行政書士法をしっかり読み込むようにしましょう。
条文も多くないですし、それほど時間を要するわけでもありません。
昨今の行政書士試験に合格できた方であれば、条文を読んで理解することなど楽勝でしょう。
法務分野の業務では業際についての理解を
また業際問題に絡んでくる司法書士法や税理士法、弁護士法など、関連する法律についてもある程度は目を通しておくことです。
行政書士の業務範囲はとても広範ですが、法律専門職である以上、くれぐれも法を逸脱するようなことがないようにしましょう。
業際というものが存在する以上、コンプライアンスは最重要視しなければなりません。
特に法務分野の仕事に関しては業際にかかりやすいので注意が必要です。
理不尽なクレームにしっかり対処するために
行政書士の仕事をしていると、時に他士業(主に弁護士)から、電話や内容証明といったもので理不尽なクレームが入ることもあります(特に法務分野の業務は多いです)。
そうしたときに、きちんと行政書士法を理解して遵守しているのであれば、そこで慌てずに自信をもって対処することができるようになります。
弁護士もすべての法律に精通しているわけではありません。
そもそもクレーム入れてくるような弁護士は行政書士法など目も通していません(私の経験上)。
なお行政書士登録すると毎月『月刊行政』という冊子が届きますが、毎月のように懲戒などの処分を下された行政書士が掲載されています。
また悪質なケースであれば、刑事事件として立件され逮捕という憂き目に遭う行政書士も少なくありません。
違法行為というのは確信犯的なものは論外ですが、知らなかった、違法という認識はなかったでは済まされません。
仮にも行政書士という法律専門職を名乗っているのであればなおさらです。
行政書士としての自分を守るためにも、新人行政書士だからこそ、行政書士法をはじめとする関連した法律の読み込みはとても大切なのです。
ちなみに行政書士法をより詳しく理解するための良書として有名な兼子仁先生の【行政書士法コンメンタール】は、行政書士であればバイブルとして必読の書です。
まだ読んでいないという方はぜひ。より行政書士法の理解が深まりますよ。