行政書士として事務所を構えるにあたって、まずポイントとなるのは立地条件です。
なぜなら事務所の立地条件によって、ターゲットとなる顧客も相談内容も変わってくる可能性があるからです。
例えば自分が外国人の在留資格取得許可申請をメインに据えようとしていたとしても、そもそも外国人の少ないエリアで事務所を構えるというのは、あまり得策ではありません。
また事務所の立地イメージというのも重要なポイントになります。
意外と軽視できない地名のイメージ
私が事務所を構えているのは、埼玉県の川越市という街です。
川越市の一般的なイメージとしては、都心からも比較的近い観光地で、埼玉県の中でも人口が多くにぎわっている街、といったところでしょうか。
最近はテレビなどでもよく紹介されるようになりましたね。
実際、事務所が川越市にあるというだけで、その近隣の市町からも問い合わせが入ることが多々あります。
ただし私の事務所は決して繁華街にあるわけでもなく、それほど人通りが多いわけでもありません。川越市の中でもかなり郊外にある事務所です。
つまりここで重要なことは、あくまでも地名のイメージであって、事務所の周りが実際ににぎわっているかどうかではありません。
見込み客というのは実際に事務所を見てコンタクトしてくるわけではなく、電話帳やインターネットなどで情報を調べてコンタクトしてきます。
ですから地名にそのエリアのイメージさえあればいいのです。
事務所の立地条件から業務を絞り込んでみる
冒頭でも述べた通り、事務所の立地条件によってターゲットとなる客層は変わってくる可能性があります。
ですから、ここに事務所を構えたら主にどのような依頼が来るのか、といったことを想定してみることで、自分の専門分野を検討するというのも手です。
例えば事務所の近くに繁華街があるのであれば、スナックやバー、パチンコ店など、いわゆる風俗営業許可申請の需要があるかもしれません。
また古くからの住宅街でお年寄りが多いエリアに事務所があれば、相続や遺言、消費者問題などに関する需要があるかもしれません。
自分の商圏でどのような需要が見込めるのか、競合相手がどれくらいいるのかなどといったマーケティングは、商売をするうえでは基本中の基本でもあります。
もっとも立地条件に関係なく様々な業務を行っている行政書士も少なくありません。
しかし行政書士などの専門家を探すキーワードとしては、まず近いところで頼めるということも重要なポイントになります。
すでに事務所を構えている方は、まず自分の事務所の場所的条件で生じるニーズは何か、ということを考えてみましょう。
またこれから行政書士登録をして事務所を構えるという方は、自分の専門分野としたい業務の需要がありそうな場所を検討材料のひとつにしてもいいでしょう。
特にインターネットでは地名で絞り込まれることが多いですから、事務所の立地条件というのは軽視できません。
ただし立地条件は絶対ではなく行政書士業務はどこにも存在する
事務所の立地条件というのは、確かに商売をしていくうえで大きな要素ではあります。
しかし都市部には都市部の、地方には地方ならではの業務というものがあります。
むしろ地方で開業した方が競合が少ないというメリットがありますし、都市部ほど集客コストをかけずに見込み客を集められる可能性もあるのです。
行政書士の仕事というのは広範です。
とにかく徹底したマーケティングと情報収集のアンテナを張り巡らせて、自分が事務所を構える商圏ではどのような需要があるのか、といったことをしっかり分析してみましょう。
思わぬ意外な需要を掘り起こして一人勝ちできるかもしれませんよ。