行政書士というのはどの分野を手掛けるにしても、決して楽な仕事ではありません。
もっとも世の中のほとんどの仕事も同じなのですが。
ではどのような人が行政書士という仕事に向いているといえるでしょうか。またいわゆる天職にできるのは、どのような人なのでしょうか。
一応20年近く行政書士を続けてきた私が、実際に感じていることを書いてみたいと思います。
もちろんこれはあくまで私の個人的な見解です。
そのあたりは鵜呑みにすることなく、自らの考え方もしっかりと加味して考えてみてください。
基本的に普通の社会生活を営んでいる方なら行政書士になれます
これを言っては元も子もないのですが、最低限のマナーや社会人としての常識ある行動ができる方なら行政書士となることは問題なくできます。
特に社会人経験がなくても大丈夫ですし、基本的に年齢のハンデなどもありません。


まあ客商売ですからある程度のコミュニケーションスキルは必要ですが、これは経験と訓練を積んでいけば自然と身につくものですしね。
ということでほとんどの方は行政書士に向いていないということはないでしょう。
ただし商売人として成功できるかどうかは別問題として認識しておかなければなりません。
行政書士になることは簡単~ただし商売人として向いているかは別問題
行政書士となること自体は簡単なことです。
試験に合格して登録すれば行政書士を名乗れます。
事務所も最初は自宅からスタートできることもありますから、それほど多額の開業費用が必要となるわけでもありません。
開業にあたって細かい事業計画を立てる必要もないです。不確定要素が多い仕事ですからね。
ただし重要なのはその先です。
行政書士となることは簡単であっても、その先の試練を乗り越えられるかどうかが重要になってきます。
すべては経営者としての自覚をもてるかどうかにかかっている
よく『行政書士で月に10万円くらいの小遣い稼ぎは可能でしょうか?』などといったことを聞かれたりします。
まあ行政書士の経営というよりも、副業アルバイト程度の感覚なのですね。
これに関しては『まず無理ですね』という答えになります。
たかだか月10万円程度の小遣いがほしいのであれば、もっと割のいい副業はいくらでもありますので、そちらを探すことをお勧めしてます。
専業行政書士は1件の仕事をとるためにもガッツリとコストをかけている
そもそも私たち専業行政書士は、1件の仕事をとるためにもガッツリ手間とコストをかけて勝負しています。副業アルバイト感覚で仕事がとれるほど世の中甘くありません。
これが経営者として当たり前の感覚です。
まあ一応行政書士を名乗っていれば『まぐれ』で仕事になることはあるかもしれません。
しかし副業アルバイト感覚で毎月コンスタントに仕事が入ってくることはまずあり得ません。
しかも今どきタダで仕事をとろうなどという考えをお持ちの方は、今すぐ考え方を改めましょう。
行政書士は行動力と強いメンタルも必要な要素です
行政書士でこれから食べていこうとするなら、最初はもう24時間365日働くといったくらいの気概が必要です。要は行動力ということですね。
またこれは行政書士に限ったことではないのですが、メンタルの強さというのも必要な要素です。
行政書士となることは簡単ですし、ほとんどの仕事はそれほど難解なものでもありません。
ただし経営感覚やセンスを磨いていく努力をしていかないと、あっという間に市場から淘汰されていきます。
そういう残念な方々が、ネットなんかでネガティブな発言をして不安を煽っているわけです。ほんとに困ったものですね。
自分が行政書士に向いているかどうかは自分次第で決まりますし、天職にできるかどうかも自分次第です。
そうした意識と覚悟をもって行政書士を目指してみてくださいね。