多くの行政書士という競争相手がいる中で頭一つ抜け出すためには、潜在的な需要を新たに掘り起こして、その分野の先駆者となることも戦略のひとつです。
既存業務のニーズに加えて、独自の視点で潜在的な需要を掘り起こしていくのです。他の行政書士があまり手掛けていないニッチ業務も視野に入ってくるでしょう。
行政書士の業務範囲は非常に広く、柔軟なビジネス展開が可能です。
他士業のように業務範囲が固定化されていない行政書士だからこそ、アイデアひとつで勝負することができるはずです。
視点を変えてビジネスのヒントを見つける
行政書士の仕事には、許認可業務や書類作成といった既存の業務があります。
しかし、まずはこうした固定概念を取り払ってみましょう。
『こんなことが仕事になるのだろうか』というものであっても、独自のサービス、仕事につながるヒントはないかと柔軟に考えてみるのです。
例えば、超高齢化社会といわれる世の中で、そこにどのような需要があるだろうか、後継者がいない事業主に対して何か手伝えることはないか、といったように、とにかく柔軟な思考で考えてみましょう。
既存の行政書士業務であっても、ニッチな業務分野で勝負できる可能性はあります。
そうした問題の解決策が見いだせれば、自分だけの独自のサービスとして、まさにオンリーワンの存在となることができるかもしれません。
情報源を貪欲に探してみましょう
とはいえ、なかなか自分の考えだけでは具体化できないこともあります。
そのようなときは、行政書士会の集まりなどに積極的に参加してみて、同業者から情報を得るのもひとつの方法です。
そうした中で、例えば周りの同業者があまり参入していない分野で、潜在的な需要がないかどうかを探ってみるのです。
また、友人や知人、顧客などから、とにかく何でもいいので不便に思っていること、困っていることなどを聞き出してみると、そこから仕事のヒントが何か出てくるかもしれません。
インターネット上でもビジネスのヒントになる情報を得ることはできます。もちろん、あふれている情報をしっかり取捨選択する能力は必須ですが。
行政書士も差別化を図らなければ生き残れません
そもそも、なぜ潜在的な需要を掘り起こす必要があるのかというと、行政書士は漫然と既存の業務を行っているだけでは利益が出しにくいからです。
他の行政書士に頼んでも同じサービス内容であれば、顧客はより価格が安い方に流れていきます。これは市場原理としては当然のことです。
そのままの状況で顧客を引き留めるためには、もう価格を引き下げるしかありません。いわゆるダンピング合戦です。
そうした不毛な価格競争や値引き交渉に巻き込まれないためにも、付加価値や差別化といった部分で勝負していかなければならないのです。
この行政書士でなければならない、という存在価値を顧客に感じてもらうためには、やはり独自のサービスや付加価値で勝負していくしかありません。
そして、サービスの充実や付加価値をつけることによって、逆に単価を引き上げることで利益を伸ばすことを目指すのが重要になってきます。


新人行政書士には簡単なことではないかもしれませんが、人脈や行政書士という柔軟なサービスが可能な資格をフル活用して、新たな需要を積極的に発掘してみましょう。