行政書士事務所が利益をあげていくためには、業務の効率化は欠かせません。
そこで考えたいのは、需要に応じたサービスの選択肢を用意することで、業務の効率化をはかることです。
行政書士業務の中には、多少時間や手間はかかっても、やろうと思えば頑張って何とか自分でできるものも多数あります。
ですから、専門家にすべて依頼することなく自分でやろうという人も一定数いるわけです。
そういった人向けに、例えば情報商材なりキットなりをWEB上で販売するといったことで、利益をあげつつ業務の効率化をはかっていくというのも、ひとつの方法として考えられます。
つまり、行政書士にすべてお任せという優良顧客と、自分でやりたいけれどもノウハウが欲しいという人にサービス内容を選択してもらうということです。
狙い目はすでに市場が飽和状態の業務
キット販売などのターゲットに適しているのは、すでに市場が飽和状態でダンピング合戦の激しいような分野です。
他士業も参入してきているような厳しい分野ですね。報酬単価も下がり続けていて、まともに勝負するのが難しい分野などです。
例えば会社設立といった行政書士にとって比較的難易度の低い業務については、自分でやりたいという人向けのキット販売がやりやすいかもしれません。
会社設立であれば、例えば『自分でできる会社設立キット』といったひな形的なものを1万円なり2万円なりで販売することもできるでしょう。
最初にしっかり商材を作り込めば、たとえ単価は安くてもあとは手間なく利益になっていきます。
また、定款認証は行政書士に頼んだ方が安くなりますよ、といったことを別料金の付加サービスにするのもいいでしょう。
定款認証なら公証役場に行く程度の手間で済みます。
2万円程度の報酬額でも顧客は損をしませんし(なぜ損しないのかは、実務知識を勉強すればすぐにわかるので割愛します)、何ならアウトソーシングしてしまってもいいと思います。
他にも市場が飽和状態になっている業務は多数あります。それでもアイディア次第で手間なくお金にすることができるのです。
それほど売上には貢献しないかもしれませんが、まったく手間がかからず利益を得ることができるのですから、その分の時間を効率的に使うことができるでしょう。
優良顧客に対しては徹底的に丁寧で迅速な仕事を
一方で、行政書士が本当に大事にすべきなのは、専門家に仕事をすべて任せてくれる『時間をお金で買う』という経営感覚をもった優良顧客です。
こうした経営センスのある顧客というのは、報酬額を決してケチらない代わりに、仕事の内容に関してはとてもシビアです。
ですから、こちらも丁寧かつ迅速な対応をする必要があります。
優良顧客に対しては、高い報酬をもらう代わりに手間や労力を惜しまない仕事をすることが重要となってきます。
そして、こうした優良顧客からの信用をしっかり得て、人脈をどんどん広げていくことに全力を傾けていきましょう。優良な顧客には必ず優良な人脈があるものです。


特にアナログ営業を中心とした行政書士にとっては、どれだけ優良顧客との人脈を広げるられるかが勝負の分かれ目になります。
『あの行政書士に任せていれば大丈夫』という存在になることを目指しましょう。
選択肢を用意することで結果的に顧客満足度も上がる
サービスの選択肢を用意しておくことは、結果として全体の顧客満足度にもつながっていきます。
自分で手続きをやりたい人には、安くて質のよいプロのノウハウを手間なく提供することで満足してもらえます。
また、時間をお金で買う優良顧客に対しては、丁寧かつ迅速に対応して仕事に満足してもらうことができます。
つまり、効率化できるところは徹底的に効率化し、今後の経営にプラスとなる可能性が高い優良顧客に対しては、仕事の労を惜しまないといったメリハリをつけることです。
キット販売といった手法はひとつのアイディアに過ぎません。
経営者として業務をできる限り効率化しつつも、利益を最大化することを常に考えて実践していきましょう。